『VIVANT』第2シーズン第6話(通算第16話・S2E6)を観ました。
放送前日、私は「リュウ・ミンシュエンは何を調べていたのか」という記事を書きました。そこでリュウについて、こう予想していました。
「リュウ本人は生きていない」
完全に外しました。しかも、外し方が想像以上でした。
■★評価は今回も保留します
2クール連続放送の全体像が見えるまで、点数はつけません。★は物語がある程度進んだ段階で改めてつけます。
※ここから先は第16話および第1シーズンの内容に触れます。未視聴の方はご注意ください。
■予想の答え合わせ
- リュウは調査をしていて殺された → 外れ(生きていました)
- リュウ本人は生きていない → 大外し
- チョウ・ケイシが裏切った。まだ生きている → 半分。シンシー側だったのは合っていましたが、裏切りの向きが逆でした
- 野崎の潜入にはリュウへの後悔も影響している → 的中
- 1億2600万円は暗号。何らかの場所を示している → 的中(ただし計算はもう一段複雑でした)
- ジャミーン、新庄 → 進展なし
当たった部分もありますが、一番大きいところを外しました。
■一番驚いたのは、生きていたことではありませんでした
野崎の前に現れたリュウ。生きていたこと自体にも驚きました。
ただ、今回一番驚いたのはそこではありません。
リュウが、乃木とそっくりだったことです。
■「似てる」の意味を、取り違えていました
前日の記事で、私は第1シーズン第7話の場面を取り上げていました。
飛行機の中で、野崎が乃木に「つい見ちまうんだよ、似てるんだ」と言う場面です。
そして私は、こう書いていました。頼りなく見えて実は芯がある、真面目で自分に好かれようと必死だった。そういう性格が乃木に似ている、という話だと。
違いました。
顔がそっくりだったんです。
あの場面を引用しておきながら、その一番大事な部分を読み違えていました。伏線には気づいていて、記事にも書いていて、それでも意味を取り違えていた。
完全にやられました。
3年前の会話が起点だという読みは合っていました。ただ、その中身がまるで違っていた。
■そして「5歳から」という設定
リュウは北朝鮮で捕まってから寝返ったのではありませんでした。5歳のころから、シンシーの工作員として育てられていた。
日本で生まれ、日本で教育を受けながら、将来的に日本の情報機関へ潜り込むための人材として育てられていた。
ここについては、そこまで大きな驚きはありませんでした。VIVANTらしい、大きな設定が出てきたなという感じです。この作品はこれくらいのことをやってきます。
■リュウの野崎への感情は、本物だったと思う
ここは考えました。
リュウは任務として野崎に近づいた。それは事実です。ただ私は、野崎への感情は本物だったと思っています。
野崎のために手柄を立てようとして、「やめておけ」と忠告されても調査を続けた。結果的に、それで捕まった。
任務だけでそこまでするでしょうか。最初は任務だったとしても、途中から本物の愛に変わっていたのではないかと思います。
■ただ、いまは愛だけではないはず
5年ぶりに再会したリュウからは、愛情だけではないものを感じました。
恨みや復讐心も混ざっているように見えます。
「自分は5年間あれだけ苦しんだのに、なぜ助けに来なかったのか」
そう思っていても不思議ではありません。実際には野崎は救出しようとしていたのですが、リュウがそれを知っているかどうかは分かりません。
愛していたからこそ、裏切られたと感じたときの憎しみも強くなる。そういう関係に見えました。
■張競士は、逆向きの裏切り者だった
私は前日の記事で「チョウ・ケイシがリュウを裏切ったのではないか」と予想していました。
張がシンシー側だったという点は合っていました。ただ、裏切りの向きが逆でした。
張はシンシーの人間でありながら、野崎に情報を流していた。そしてリュウを助けるようハンに頼んでもいた。野崎がリュウ救出のために傭兵まで雇ったことを知って、その姿に心を動かされたと語ります。
つまりシンシーを裏切って、野崎側についていた。
そして最終的に、殺された。
■VIVANTをきっかけに観たスパイ作品
張競士のような「組織の中にいながら、別の側に通じている人物」が出てくる話は、他にもあります。この作品をきっかけに、スパイものの映画を観るようになりました。
- 映画『裏切りのサーカス』★3(組織の中の裏切り者を探す。2回目からが本番)
- 映画『スパイ・ゲーム』★4(師弟関係と情報戦。3本で一番バランスが良い)
- ボーンシリーズ全5作ガイド★4(シリーズもの。見る順番と評価)
- 映画『イーグル・アイ』★4(AIが人を操る。現実が追いついてきた作品)
■そして、座標は当たっていました
前日の記事で、私は1億2600万円をπで割って、実際に地図に入れてみたことを書きました。
先に断っておくと、この計算方法を思いついたのは私ではありません。ネット上で見かけた考察を参考にして、自分でも計算して確かめた、というのが正確なところです。
納得できる読みだったので記事に載せました。
そして今回、本当に座標として使われました。
■計算の中身は、もう一段複雑でした
ただし、1億2600万円だけではありませんでした。
- 1億2600万円をπで割る
- 後から出てきた1億6000万円もπで割る
- その2つを組み合わせて座標にする
2回の送金を、それぞれπで割る。そこまでは私も分かっていませんでした。
示されたのはゴルバド中部のシャキ城。別班員5人が監禁されていた場所です。
■最初に思いついた人がすごい
正直な感想はこれです。
「πのような、永久に割り切れない世界」という台詞と、東条への送金額。この2つを結びつけて「割ってみよう」と考えた人がいる。
私は、その考察を読んで確かめただけです。それでも、実際に地図にピンが落ちたときは面白かったですし、放送で本当に使われたときは「やっぱりこれだったか」と思いました。
制作側が、観ている側に解ける形で暗号を仕込んでいた。そこまで設計されているとは思っていませんでした。
■シンシーの狙いは核融合技術だった
今回、シンシーが追っているものの正体も明かされました。
エリシャ博士が発明したとされる核融合技術です。
これはかなり納得しました。核融合はエネルギーの話ですから、本当に実用化できるなら世界中が欲しがります。手に入れた国が優位に立つ。日本としても手に入れたいはずです。
そして、エリシャが出した条件がテントに関する情報だった。
ここでようやく、なぜシンシーがテントを調べているのかがつながります。テントを潰したいのではなく、その先にある核融合技術を手に入れるためだった。
■別班5人を囮にした判断について
今回、かなり重い事実も明かされました。
公安は別班員5人がシンシーに捕らえられることを容認していた。核融合技術の確保を優先した判断です。
かなり大胆だと思いました。
ただ、劇中で語られていたように、別班は過酷な状況でも簡単には口を割らない。公安はそれを知っていた。
だからこそ、5人を囮にするという判断ができたのだと思います。別班のすごさを知っているからこそ成立する作戦だった、という見方もできます。
もちろん、当の5人にとってはたまったものではありませんが。
■裏と表が、手を組んだ
そして今回、公安と別班が共同戦線を組みます。
これはかなり良い展開だと思いました。
これまで別々に動いていた、いわば「表」と「裏」が、同じ目的のために協力する。第1シーズンから続いてきた関係を考えると、ここに来るのかという感じがあります。
第16話は、これまでの謎が明かされた回であると同時に、ここから新しい形が始まる回でもありました。
■電光掲示板で情報を送ったのは誰か
終盤、新しい謎が出てきました。
野崎はある人物が毎日19時に同じ場所へ行くことに気づきます。その人物が見ていたのは、金相場を流す電光掲示板。そこを使って、何らかのメッセージが送られていた。
誰が送っていたのか。現時点では分かりません。
ただ、あれだけの情報を野崎に伝えられるということは、シンシー側に野崎とつながっている人物がまだいる可能性は高いと思います。
張競士もシンシーにいながら野崎へ情報を流していました。張がいなくなったあとも、同じような協力者がいるのか。
正直に書くと、私はまだ張の死も少し疑っています。この作品で一度死んだとされた人物が生きていた例を、今回まさに見せられたばかりなので。
■第17話の予告について
※ここからは第17話の予告に触れます。
予告では、テントと核融合の関係がさらに掘り下げられそうです。
「テントに隠された巨大な謎。」という字幕。そして乃木の「テントと核融合。」という言葉。
そしてもう一つ、別班5人の救出について大きな動きがあります。
- 「明かされた、別班拉致の真相──」
- 乃木「可能性6%。我々の奪還作戦の成功率を高める」
- 櫻井「5名の奪還は断念することに決定しました」
- 「奪還断念か。」
- 乃木「もし拿捕された場合、即座に自ら命を断ちます」
- 「強制決行か。」
成功率6%で、それでもやる。そして正式には断念しながら、別の形で決行する。
さらに、頭巾のようなものを被って目元だけが見える謎の女性が一瞬映ります。誰なのかは分かりません。
そして最後に「運命の7日間」という字幕。
期限が切られました。
■2026年8月31日時点の、私の予想
- シンシー側に、野崎とつながっている協力者がまだいる
- 張競士の死も、まだ完全には信じていない
- リュウの野崎への感情は本物。ただし、いまは恨みも混ざっている
- テントの孤児院と核融合技術がつながる
- 謎の女性は、テント関係者か、核融合技術に関わる人物
- 奪還作戦は、正式には断念しても実行される
■まとめ
今回は外しました。しかも、伏線には気づいていたのに、意味を取り違えていたという外し方です。
前日の記事で、あの飛行機の場面をわざわざ引用していました。「似てる」という言葉も書いていました。それでも、顔のことだとは考えなかった。
第3話で大外ししたときは「迷ったのに変えなかった」ことが原因でした。今回は違います。見ていたのに、読めなかった。
この作品は、こういうことをやってきます。
放送前に書いた予想は第6話の考察記事に書いています。これまでの記事は『VIVANT』第2シーズン 感想・考察まとめに一覧でまとめています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

