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映画『Mr.ノーバディ2』レビュー・感想・評価|家族総出の痛快アクション、「夫婦よ」の見事な締め(★4)

夕暮れの遊園地で敵と戦うアロハシャツの男のシルエット。映画Mrノーバディ2のイメージ 洋画レビュー
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Amazonプライム・ビデオで配信中の映画『Mr.ノーバディ2』(2025)を観ました。

冴えない中年男の正体は凄腕の元工作員——という痛快アクション『Mr.ノーバディ』の続編です。前作が面白かったので、続けて観てみました。

★★★★☆(5点満点中4点)

  • ひとことで言うと:家族総出で戦う、90分に詰まった痛快アクション
  • こんな人におすすめ:前作を観た/家族総出のド派手アクションが観たい/90分でスカッとしたい
  • 気になる点:前作の「冴えない男のギャップ」は薄れている
  • 配信:Amazonプライム・ビデオ 見放題

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※物語の核心(結末)にも触れています。未見の方はご注意ください。

■作品概要

2025年公開のアメリカ映画。上映時間は90分と、前作同様コンパクトです。

主演は前作に続きボブ・オデンカーク。妻ベッカのコニー・ニールセン、父デビッドのクリストファー・ロイドも続投しています。
そして今回の敵、巨悪組織の女帝レンディーナを演じるのは『氷の微笑』のシャロン・ストーンです。

監督は『ヘッド・ショット』のティモ・ジャヤントに交代していますが、脚本は前作と同じ『ジョン・ウィック』のデレク・コルスタッドが続投しています。

■あらすじ

ロシアンマフィアとの死闘から4年。ハッチは、前作で焼いてしまった3000万ドルを組織に肩代わりしてもらった借金を返すため、休日返上で工作員の任務をこなし続けていました。

その結果、家族との時間はほとんど取れず、家庭はまたも崩壊寸前に。

関係を立て直そうと、ハッチは自分が子どもの頃に訪れた思い出の地、プラマービルへの家族旅行を計画します。
しかしその寂れたリゾート地は、女帝レンディーナ率いる犯罪組織の密輸ルートになっていたのです——。

■今回も、取り調べから始まる

本作も前作と同じく、警察の取り調べシーンから始まり、そこから「何があったのか」を回想していく構成です。

このお決まりの入り方が、シリーズの型として心地よくなってきました。そして、この冒頭のシーンが最後に効いてくる仕掛けも、前作以上に洒落ています(これは後述します)。

■前作との違い——「冴えない男」から「覚醒した父」へ

前作と大きく違うのは、もう妻ベッカがハッチの正体を知っているという点です。

「冴えない夫の隠された正体」という前作のギャップはなくなった代わりに、本作では家族の絆や愛情が前面に出てきます。
個人的には、前作より家族愛を感じる場面が多かったのが印象的でした。

ハッチ自身も、前作のような「冴えない中年」という感じはあまりなく、どこか覚醒した雰囲気すらあります。
旅先のゲームセンターでトラブルになった際、娘が従業員に叩かれたことに怒りを爆発させ、その場で従業員を叩きのめしてしまう——前作の「我慢に我慢を重ねる男」とは、少しイメージが違いました。

このキャラクターの変化は、良く言えば頼もしく、前作のギャップの妙が好きだった人には賛否があるかもしれません。

■息子の成長と、水に流す握手

今回は子どもたちにも見せ場があります。

息子ブレイディは、旅先で地元の少年マックスとひと悶着を起こしますが、物語が進む中で、ハッチは誘拐されたそのマックスを助け出し、息子の元へ連れて行きます。
そこでブレイディがマックスに「水に流す」と握手する場面があり、遺恨をきちんと清算していく描き方が良かったです。

■ベッカに背中を押される場面が、今作のベスト

個人的に一番好きだったのは、決戦へ向かおうとするハッチと、妻ベッカのやりとりです。

危険を家族に近づけないと約束したはずなのに、それを破ってしまったハッチ。彼は自分の衝動を制御できないことを認め、自分のことは忘れてくれと、突き放すように告げます。

それに対するベッカの返しが痺れます。命令なんて何様——色々あるけれど、あなたは子どもたちの父であり、私の男。だから、片付けてきて。
そう言って、彼女はハッチの背中を押すのです。

夫の全てを受け入れた上で、送り出す。前作から続く夫婦の物語が、この一言で完成したように感じました。

■遊園地を丸ごと要塞に——最後の銃撃戦

決戦に向け、ハッチはマックスの父でリゾート地を管理するワイアットと共闘します。ワイアットもまた、レンディーナに支配されてきた一人の父親。父を殺され、息子を誘拐された彼が、酒を飲みながらレンディーナへの怒りを静かに語る場面もあります。

そして舞台は、休業させた遊園地。園内の至るところに罠を仕掛け、レンディーナの組織を迎え撃ちます。
もちろんここで、兄ハリーと父デビッドも再び参戦。前作に続き、この最終決戦がやはり最大の見どころです。

■妻ベッカ、まさかの大活躍

クライマックスで痺れたのが、ベッカの参戦です。

レンディーナに追い詰められたハッチの危機に、銃を手にしたベッカが現れます。「あんたは誰?」と問うレンディーナに、彼女は一言——「彼の伴侶よ」。

レンディーナが投げたナイフと、ベッカの撃った弾丸が空中で交錯し、弾道はそのままレンディーナの左目へ——という、嘘みたいに痛快な決着。
守られるだけだった前作から一転、戦う妻ベッカの覚醒は本作屈指の見せ場でした。

■相変わらずぶっ飛んでいる、じいちゃん

そして今回も、父デビッドは最高です。

銃で敵をなぎ倒すのはもちろん、仕掛けておいた爆弾の起爆スイッチを手に「爆発するぞ、全員避難しろ!」と叫ぶ豪快さ。
共闘していたワイアットが「あいつは正気か?」と慌ててプールに飛び込み、ハッチとベッカも爆風に飛ばされながらプールへ——という、大団円の大爆発でした。

その爆発を離れた家から見ていた家族たち。娘のサミーが「皆無事かな?」とつぶやくと、ハリーが返します——「ああ、これぞマンセル家の夏」。
このゆるさが、たまらなく好きです。

■「夫婦よ」——冒頭の取り調べに戻る、見事な締め

水中で意識を失いかけたハッチに、ベッカがキスで酸素を送り込み、ハッチが目を開ける——そして場面は、冒頭の取り調べシーンへと戻ります。

「あなたたちは何者?」と問われ、ハッチが「俺たちはつまり…」と言いかけたところに、ベッカが答えます——「夫婦よ」。ハッチも頷いて「ああ、夫婦だ」と。

ここで気づくのです。冒頭の取り調べシーンでは、ハッチの隣には犬しかいなかった。でも最後に映るその場面では、犬の隣にベッカが座っている——。

前作の「俺は何者でもない(Nobody)」という一人の答えから、今作は夫婦二人の答えへ。
シリーズの型を守りながら、答えだけが変わっている。この対比が本当に見事でした。

その後、警察への一本の電話で二人はまた釈放。手錠を差し出す夫婦に、警察が渋々「鍵を、手錠の」と言う脱力感も含めて、締めくくりまでシリーズらしさ全開です。

ラストは、家族でプロジェクターに旅行の写真を映しながら振り返る、温かい団らんの場面。「来年の夏休みもおじいちゃん来る?」という娘の一言まで、家族愛に満ちたエンディングでした。

■こんな人におすすめ

  • 前作『Mr.ノーバディ』を観た人(セットで観るのが断然おすすめ)
  • 家族総出のド派手なアクションを楽しみたい人
  • 90分でスカッと観られる痛快作を探している人
  • クリストファー・ロイドの大暴れをもっと観たい人

まだ観ていない方は、『Mr.ノーバディ』のレビューもあわせてどうぞ。ほかにも★4以上をつけた作品を集めたAmazonプライムおすすめ映画まとめもあります。

■まとめ

私の評価は★★★★☆(5点満点中4点)です。

「冴えない男のギャップ」という前作の妙は薄れたものの、その代わりに家族の絆と愛情がしっかり描かれ、家族総出で戦う痛快さは前作以上。
ベッカの覚醒、父デビッドの豪快な大爆発、そして「夫婦よ」で締まるラストまで、90分に楽しさが詰まった続編でした。

前作とセットで観ると、冒頭の取り調べシーンの対比や夫婦の物語の変化がより楽しめます。
ぜひ1作目から続けてどうぞ。

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※配信状況は変更される場合があります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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