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映画『キングダム 運命の炎』レビュー・感想・評価|原作ファンだけが感じる切なさがある(★5)

映画キングダム運命の炎のイメージ。夕暮れの丘から戦場を見下ろす 馬上の武将と、その傍らに立つ若者の後ろ姿のシルエット 邦画レビュー
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実写映画『キングダム 運命の炎』を、Netflixで観ました。シリーズ第3作、原作の紫夏編と馬陽の戦いを描いた一本です。

原作を何度も読み返しているファンとして、ここからのエピソードは特別でした。そして観終わって、シリーズが一段階上がったとはっきり感じました。

★★★★★(5点満点中5点)

  • ひとことで言うと:戦いではなく、人間を描いたキングダム
  • 原作の対応:8〜12巻(紫夏編・馬陽の戦い開戦)
  • ★5の理由:結末を知っているのに涙がこぼれた。王騎の見え方も変わった
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※この記事は物語の一部の展開に触れています。未見の方はご注意ください。

■作品概要

  • 公開日:2023年7月28日
  • 上映時間:130分
  • 監督:佐藤信介
  • 原作:原泰久『キングダム』(集英社)
  • 出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、杏、山田裕貴、大沢たかお ほか

■あらすじ

蛇甘平原の戦いを経て、信は百人将となっていました。そこへ北方の大国・趙が突如として秦へ攻め入ります。侵略を迎え撃つため、信と王騎が初めて同じ戦場に立つ「馬陽の戦い」が始まります。

並行して描かれるのが、嬴政の過去です。なぜ彼が中華統一を目指すのか。その原点にある、紫夏という女性との出会いが明かされていきます。

■結末を知っているのに、紫夏編で涙がこぼれた

紫夏のエピソードは、原作でも屈指の名場面です。当然、どうなるかは知っています。

それでも、紫夏が命懸けで幼い嬴政を守り抜こうとする姿に、涙がこぼれました。

なぜだろうと考えたのですが、俳優陣の繊細な演技、音楽、そして映像ならではの「間」が加わったことで、紫夏の覚悟や嬴政への愛情が現実味を持って伝わってきたからだと思います。漫画で読んでいたものが、目の前で起きていることになった感覚でした。

そしてこのエピソードは、単なる過去話ではありません。「人の本質は光である」という『キングダム』全体を貫くテーマを、そのまま体現した物語です。

なぜ嬴政が中華統一を目指すのか。その答えがここにあります。

■王騎の見え方が、この作品で変わった

第1作・第2作の王騎は、圧倒的な強さを持つ伝説の大将軍でした。どこか底知れない存在として描かれていて、それだけでも十分に魅力的です。

ところが第3作で摎との過去が描かれたことで、印象が大きく変わりました。

強くて豪快なだけの人ではなかった。大切な人との約束や喪失を胸に抱えながら、それでも前を向いて戦い続けてきた一人の人間だったのだと気づかされます。

原作でも好きなエピソードの一つですが、映画では大沢たかおさんの細かな表情や視線の演技が加わることで、王騎の心の奥にある優しさや悲しみがより伝わってきました。

だから第3作以降、王騎の何気ない一言や、信へ向ける眼差しまで、以前とは違って見えるようになりました。憧れの「天下の大将軍」から、多くのものを背負いながら戦ってきた一人の武人へ。印象が深まった作品です。

■原作を知っているからこそ、手放しで盛り上がれなかった

馬陽の戦いが始まる場面について、正直に書いておきたいことがあります。

「ついにこの戦いが映画で始まる」という高揚感は、確かにありました。原作でもキングダムを代表する戦いの一つで、王騎、龐煖、李牧、そして信にとっても大きな転機になる。実写で観られる日を待っていた原作ファンは多かったはずです。

ただ、同時に切なさもありました。原作を知っているぶん、この先に待っている出来事を思い浮かべてしまうからです。

特に、王騎が軍を率いて出陣する姿を見たとき。胸が高鳴るより先に、「この堂々とした姿を目に焼き付けておこう」という気持ちのほうが強くなりました。

映画としては、壮大な戦いの幕開けに高揚する場面です。でも原作ファンにとっては、その先に待つ運命を知っているからこそ胸が締め付けられる場面でもある。

この「期待」と「切なさ」が同時に押し寄せてくる感覚は、第3作ならではのものでした。原作を読んでいる人にしか味わえない体験だと思います。

■なぜ★5なのか

第1作と第2作を★4にしたのは、完成度が低いからではありません。この第3作が、明確に一段上へ行ったからです。

合戦のスケールという意味では、第2作もすでに十分でした。ただこの作品には、それに加えて人間を描く力があります。紫夏の覚悟、嬴政の原点、王騎が抱えてきたもの。戦いの映画でありながら、心が動く場面のほうが多い。

シリーズがここで進化したという実感が、はっきりありました。だから★5です。

■こんな人におすすめ

  • アクションだけでなく、人間ドラマを求めている人
  • 嬴政という人物をもっと知りたい人
  • 王騎が好きな原作ファン
  • 第1作・第2作を観て、シリーズの本気を確かめたい人
  • ただし、単体では完結しません。1作目から順に観るのがおすすめです

前作の感想は映画『キングダム2 遥かなる大地へ』のレビューに書いています。シリーズ全4作の評価と原作の対応巻は、全4作ガイドにまとめました。

続きは映画『キングダム 大将軍の帰還』のレビューへ。シリーズ最高傑作だと思っている一本です。

この作品は原作の10巻から13巻と8巻の紫夏編にあたります。詳しくはキングダム映画は原作の何巻まで?にまとめています。

■まとめ

評価は★★★★★(5点満点中5点)です。

戦いだけでなく、人間を描いたキングダムの魅力が詰まった一本でした。結末を知っている紫夏編で涙がこぼれ、王騎という人物の見え方が変わり、そして原作ファンだけが感じる切なさもありました。

ここから物語は、シリーズの頂点へ向かっていきます。

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※本ページの情報は2026年8月時点のものです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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