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映画『キングダム』レビュー・感想・評価|原作ファンが「あ、王騎だ」と確信した瞬間(★4)

映画キングダム(2019)のイメージ。夕暮れの荒野で木剣を打ち合う 二人の少年のシルエット 邦画レビュー
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実写映画『キングダム』の第1作を、Netflixで観ました。原作漫画を何度も読み返しているファンとして、公開当時からリアルタイムで追いかけてきたシリーズの出発点です。

正直に言うと、実写化が発表されたときは期待より不安のほうが大きい作品でした。

★★★★☆(5点満点中4点)

  • ひとことで言うと:不安を初登場の数秒で吹き飛ばした、シリーズの原点
  • 原作の対応:1〜5巻(王弟・成蟜の反乱)
  • ★4の理由:完成度ではなく、まだ「始まりの物語」だから
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※この記事は結末まで触れています。未見の方はご注意ください。

■作品概要

  • 公開日:2019年4月19日
  • 上映時間:134分
  • 監督:佐藤信介
  • 原作:原泰久『キングダム』(集英社)
  • 出演:山﨑賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、大沢たかお ほか

■あらすじ

いまだ一度も統一されたことのない古代中国。戦災孤児の信と漂は、下僕として働きながら「天下の大将軍になる」という夢を語り合い、来る日も来る日も剣を振るっていました。

ある日、漂だけが王宮の役人に見出され、村を去っていきます。残された信のもとに、やがて瀕死の漂が帰ってくる。そこから信は、秦王・嬴政と出会い、王座を奪われた王とともに王都奪還へ向かうことになります。

■公開前、一番不安だったのは王騎だった

原作の王騎は、シリーズ屈指の人気キャラクターです。天下の大将軍としての圧倒的な風格。独特の話し方。豪快さと包容力を同時に持っている存在。

あのキャラクター性を実写で表現するのは、正直に言って無理なんじゃないかと思っていました。読者の頭の中で完成されすぎている人物だからです。

だから初登場の場面では、自然と身構えていました。

■「あ、王騎だ」と思った瞬間

ところが、実際に姿を現した瞬間に不安は消えました。ゆったりとした口調。独特の笑い方。堂々とした立ち姿。それを見て「あ、王騎だ」と感じたんです。

見た目が似ているかどうかではありませんでした。周囲を圧倒する空気感、余裕、天下の大将軍と呼ばれる人物が持つ器の大きさ。そこまで表現されていたので、原作ファンとして心底安心したのを覚えています。

この一点だけでも、実写化は成功だったと言っていいと思います。

■漂との別れ。漫画と映画は、時間の流れ方が違う

結末は知っています。何度も読み返しているので、漂がどうなるかは最初から分かっていました。

それでも、漂が最後の力を振り絞って信に想いを託す場面では、胸が締め付けられました。

観終わってから、なぜだろうと考えました。たぶん、漫画と映画では時間の流れ方が違うからです。

漫画はコマを自分のペースで読み進めます。つらい場面は速く読むこともできるし、じっくり止まることもできる。速度を選ぶ権利が読者にあります。

映画にはそれがありません。俳優の息遣い、声の震え、静かな間。全部が向こうの速度で流れてくる。だから、漂が最後まで信を信じていたという気持ちが、逃げ場なく伝わってきました。

原作を知っているから驚けない、ということはありませんでした。むしろ知っているからこそ、別の形で刺さってきた場面です。

■山﨑賢人の信は「未完成」だった

公開前には「少し爽やかすぎるのではないか」という見方もありました。原作の信は決してスマートな主人公ではなく、泥まみれで、何度倒されても立ち上がる野性味が持ち味だからです。

ただ、実際に観てその心配は要らなかったと思いました。格好いい主人公を演じようとしていないんです。まだ将軍でもなければ英雄でもない、泥臭くて未熟な信。そこをきちんと演じていた点は、私も納得できました。

シリーズを通して成長していく主人公なので、第1作の信はあえて未完成に置かれていたのだと思います。

■楊端和は、まだ序章

長澤まさみさんの楊端和は、限られた登場時間ながら存在感は十分でした。画面に出てくると空気が変わります。

ただ、原作で描かれる山界の王としてのカリスマ性や背景まではまだ届いていません。第1作の段階では序章という印象です。

これは不満というより、続編でもっと見られるという期待のほうが強かったです。実際、その期待は後の作品で回収されていきます。

■なぜ★5ではなく★4なのか

作品としての完成度だけを見れば、★5をつけてもおかしくない出来です。第1作としての役割は見事に果たしています。

それでも★4にしたのは、この作品がまだ「始まりの物語」だからです。

王弟・成蟜の反乱を軸にした入口としては申し分ありません。ただ、原作ファンとして本当に涙したエピソード、たとえば紫夏編や馬陽の戦い、王騎の生き様は、まだこの先にあります。

4作目まで観たいまだからこそ、第1作は土台を築いた作品だったと分かります。その土台があったから、3作目と4作目があそこまで輝いた。だから★4という位置づけにしました。完成度が低いという意味ではありません。

■ラストで感じたこと

王都を取り戻した嬴政と、天下の大将軍を目指す信。それぞれが新たな一歩を踏み出すところで、この映画は終わります。

派手な締めくくりではありません。それでも、ここから本当の『キングダム』が始まるという実感がありました。

観終わって最初に思ったのは「早く蛇甘平原が観たい」でした。ただ、その願いが叶うまでには3年かかることになります。

■こんな人におすすめ

  • 原作を読んでいて、実写版に手を出すか迷っている人
  • 漫画実写化に苦い思い出があり、警戒している人
  • 最新作を観る前に、シリーズを最初から追いたい人
  • 原作を知らないまま、まず1本試してみたい人
  • 逆に、いきなり大規模な合戦を期待している人には物足りないかもしれません

シリーズ全4作の評価と原作の対応巻は、映画『キングダム』シリーズ全4作ガイドにまとめています。観る順番で迷っている方はこちらもどうぞ。

続きは映画『キングダム2 遥かなる大地へ』のレビューへどうぞ。ここから本格的な合戦が始まります。

この作品は原作の1巻から5巻にあたります。詳しくはキングダム映画は原作の何巻まで?にまとめています。

■まとめ

評価は★★★★☆(5点満点中4点)です。

実写化に不安しかなかった原作ファンを、王騎の初登場だけで黙らせた作品でした。漂との別れでは、漫画とは違う形で感情を持っていかれました。

もしこの第1作が失敗していたら、シリーズはここで終わっていたはずです。そう考えると、原点として何度でも見返したくなる一本です。

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※本ページの情報は2026年8月時点のものです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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